-horreum-倉庫

雑多です。
「返答」#クロロレ #クロロレワンドロワンライ参加作品

 クロードの隣でローレンツがすうすうと寝息を立てている。ローレンツ自身は起きた時に殆ど夢の内容を覚えていないが、たまに寝言を言う。眠りが浅く、寝つきの悪いクロードの密かな楽しみだった。
 深く眠っている時のローレンツは良い意味で力の抜けた顔をしているが、寝言を言う時は眉間に皺が寄る。ローレンツの寝返りで目が覚めてしまったクロードは消えかけた蝋燭の明かりを頼りにローレンツの様子を伺った。首を小刻みに振っているし、眉間に皺が寄っている。
「クロード!君は一体、何を考えているのだ!」
 フォドラにいた頃の夢なのか、それとも外交官としてパルミラに赴任してからの夢なのか。
「お前のことだよ、ローレンツ」
 クロードは寝汗で額に張り付いた紫の髪をそっと整えてやりながら返事をした。夢の中にいる自分はどんな言葉をローレンツに返したのだろう。知り合ったばかりの頃は彼のつんとした態度のせいで誤解していたが、あの頃から悪意はなかった。まだ短髪だった頃の彼を思い出すと自然とクロードの口元は緩んでしまう。
「何故そんな夢のようなことを……君、まさか寝ぼけているのではあるまいな?」
 珍しく夢ではなく現実で会話が成立した。これも七月二十四日、誕生日のささやかな奇跡だと思いたい。
「すぐに返答が欲しい」
 クロードはあの時と一言一句、同じことを言ってから滑らかな頬に口付けをした。この先は会話が成立せずともかまわない。彼が今、自分の隣で眠りについていること自体が返答だからだ。畳む