初版の表紙と裏表紙 台詞まとめ 表紙と挿絵を描いてくださったイエコさんのこちらのツイートが原案です。 まだ性的なことを何も知らない年前ロレが可愛くて平和にPERFECT TEA TIMEする年後クロに対し出会って10秒で年前クロの童貞を奪う年後ロレ 「将来の盟主たるもの房中術くらい身につけないとね……♡」ズップリ 「あっ♡♡♡」 「crossing」1. #クロロレ #完売本 #年齢操作 #crossing #台詞まとめ 続きを読む その現象はシャンバラに攻め込む前に発生し───ローレンツと共に過去に紛れ込んだ、と把握したクロードがまず頼ったのは眷族たちだった。クロードがレアの正体を匂わせるとレアは青獅子と黒鷲の学級に泊りがけの課題を与え、人払いをしてくれた。時の縁への介入を最小限にする為らしい。 元の世界に戻るまで数日かかる、と言われたクロードたちは若い頃の自分の部屋に匿ってもらうことにした。好奇心が暴走しがちな若き日の自分はなんというか、子犬のようで見ていて少し恥ずかしい。講義で寮が無人になったら隣室の様子でも伺おうか、と息を潜めているとローレンツが扉越しに声をかけてきた。 「クロード、いるのか?」 きっと隣室も学生のローレンツが外出したのだろうと思ってクロードは少しドアを開けてしまった。目の前には学生時代のローレンツがいて、驚きのあまり紫色の瞳が丸くなっている。薄く開いた唇はルミール村の事件の後でクロードが貪ったが、この時点ではまだの筈だ。 「君の部屋に鉄筆を忘れて……申し訳ありません。てっきり僕のクロードがいるとばかり」 部屋に匿ってもらう時にはもう一人、未来からやってきた者がいることは可能な限り言わないように、とレアに釘を刺されている。クロードも学生の自分にローレンツが共に来ていることを言わなかったので、ローレンツも同じ判断をしたのだろう。だが学生のローレンツはすぐにクロードの正体を察した。 その察しの良さはとても好ましいが、とにかくまだ清らかなローレンツの言う《僕のクロード》の破壊力が凄まじい。 「ごめんな、俺が判断を誤った。てっきり俺も俺のローレンツが出てきたのかと」 《俺のローレンツ》という表現を耳にしただけで顔を赤くした彼の顔をイグナーツに描いてほしい、とクロードは思った。だが、事態が更にややこしくなるので、心にその顔を刻んでおくにとどめた。何か用事があったのだろう。そう察したクロードが表情を崩さず、汚れた机の上にあるローレンツの鉄筆をとって渡してやると学生時代の彼は笑顔で礼を言い教室へ向かった。室内を誰かに見られないよう拳一つ分しか扉を開けられなかったのが惜しい。 ようやく寮内が無人になったので今度はクロードが隣室の扉を叩いた。こんなところにまで付いて来てくれたローレンツが急いで部屋に招き入れてくれる。 「この愚か者!レア様に過去の自分以外と接触するなと言われただろう!」 ローレンツは怒っていたがクロードはそんなことはお構いなしに彼に抱きついた。 「可愛すぎる!!あーもう過去の自分の趣味の良さに我ながら驚くね!」 「こら、そんな言葉で誤魔化すな!」 「でも俺も今のお前のこと、昔の自分に見せびらかしたいよ」 クロードの熱のこもった緑の瞳はそれが取り繕うための嘘ではない、とローレンツに告げている。 「うぅ……だが駄目なものは駄目だろう」 「あいつらが漏らさずにいられたらそれで良いのさ。二人きりの時に話せるなら逆に外部には漏れないよ」 そんな訳でクロードは学生時代のローレンツの部屋へ行き、ローレンツは学生時代のクロードの部屋に行くことになった。 ローレンツが講義や演習、食事それに入浴も終えて自室に戻ると見てはならぬ存在のはずだった未来のクロードが自室にいた。入浴の支度をしに戻った際はレアに命じられ、匿うように言われた未来の自分がいたので学生たちが入浴中、寮が無人の隙をついて入れ替わったらしい。 「よ、邪魔するぜ」 クロードが手を挙げて挨拶するとローレンツは風呂上がりの軽装だったが、それでも右足を一歩引いて左手を横に伸ばし、右手を胸に当てて膝を曲げた。目上のものに対する正式なお辞儀だ。 「先ほどは失礼いたしました。閣下」 クロードが驚いて目を見開く番だった。先ほど廊下にいたローレンツからは見えなかったであろう盟主の証である外套のせいだと気づいて苦笑する。 「悔しいか?」 「いえ、僕個人の感情はともかく地位や身分には敬意を示さねばなりません」 「ま、今のところはって話だ。少し話がしたくて来たんだ。構わないか?」 「そう言うことであれば茶菓が必要ですね」 ローレンツは頷くと指を鳴らし、ファイアーの魔法でお湯を沸かし始めた。クロードが座っている来客用の椅子の前に丸机が置かれる。白く長い腕が棚の奥にある薄い白磁の茶器を取り出した。彼がガルグ=マクに持参しているものの中で確か最も高価なものだ。対等な付き合いをしている未来の自分たちの場合、この時刻にこんな風に急にローレンツの部屋に訪れても気安く飲めるお茶しか出してくれない。 「おいおい、給茶器の上のやつでも構わないんだぜ?」 三段重ねの給茶器の上段では煮詰まった紅茶が温まっている。中段に付けた蛇口からお湯を注ぎ、飲みやすい濃さに薄めて飲む紅茶はローレンツが日頃、喉を潤すために飲む気安いもので彼以外に飲んだことがあるのはおそらくクロードだけだろう。 「そういうわけには参りません」 クロードのために用意されたカミツレの花茶の一煎目は林檎のような甘い香りがした。小皿に盛られたお茶請けは胡桃の砂糖がけと干し杏でどちらもカミツレの花茶によく合う。 「ああ、美味いな。さすがだよ」 「閣下からお褒めに預かり光栄です。ところでお話というのは……?」 クロードが状況を説明し、推論を披露する度にローレンツはひどく真面目な顔をして頷いた。どうやら年若い彼は未来の自分の言葉少なさにひどく困惑していたらしい。 「未来の僕は意見すら述べてくれなくて」 本当は過去の自分に対して黙秘を貫くローレンツが正しいのだ。それを頭では分かっていてもローレンツは未来の自分自身に甘えたかったらしい。 「失敗を避けるにはそれが良かっただろうな。俺を見れば分かるだろう?余計なことをしてお前に見つかった」 「でも僕は閣下とお会いできて嬉しいです。僕のクロードと共に年を重ねるのが楽しみです」 クロードの方がローレンツより年下で、クロードが細かいことをおざなりにしがちで、そこを補助してもらっていることは五年の時を経ても変わらない。それが今はどうだろう。若き日のローレンツが憧れに頬を染め、未来への期待に輝く瞳でクロードを見つめてくる。理性を保つのが大変だった。身体を暴きたいと言うことではない。とにかく可愛い以外の言葉を理性で何とか繋ぎ止め、学生時代のローレンツが有意義に感じてくれるような夜の茶会は終わった。畳む 小説,BL 2024/11/17(Sun)
初版の表紙と裏表紙
台詞まとめ
表紙と挿絵を描いてくださったイエコさんのこちらのツイートが原案です。
まだ性的なことを何も知らない年前ロレが可愛くて平和にPERFECT TEA TIMEする年後クロに対し出会って10秒で年前クロの童貞を奪う年後ロレ
「将来の盟主たるもの房中術くらい身につけないとね……♡」ズップリ
「あっ♡♡♡」
「crossing」1.
#クロロレ #完売本 #年齢操作 #crossing #台詞まとめ
その現象はシャンバラに攻め込む前に発生し───ローレンツと共に過去に紛れ込んだ、と把握したクロードがまず頼ったのは眷族たちだった。クロードがレアの正体を匂わせるとレアは青獅子と黒鷲の学級に泊りがけの課題を与え、人払いをしてくれた。時の縁への介入を最小限にする為らしい。
元の世界に戻るまで数日かかる、と言われたクロードたちは若い頃の自分の部屋に匿ってもらうことにした。好奇心が暴走しがちな若き日の自分はなんというか、子犬のようで見ていて少し恥ずかしい。講義で寮が無人になったら隣室の様子でも伺おうか、と息を潜めているとローレンツが扉越しに声をかけてきた。
「クロード、いるのか?」
きっと隣室も学生のローレンツが外出したのだろうと思ってクロードは少しドアを開けてしまった。目の前には学生時代のローレンツがいて、驚きのあまり紫色の瞳が丸くなっている。薄く開いた唇はルミール村の事件の後でクロードが貪ったが、この時点ではまだの筈だ。
「君の部屋に鉄筆を忘れて……申し訳ありません。てっきり僕のクロードがいるとばかり」
部屋に匿ってもらう時にはもう一人、未来からやってきた者がいることは可能な限り言わないように、とレアに釘を刺されている。クロードも学生の自分にローレンツが共に来ていることを言わなかったので、ローレンツも同じ判断をしたのだろう。だが学生のローレンツはすぐにクロードの正体を察した。
その察しの良さはとても好ましいが、とにかくまだ清らかなローレンツの言う《僕のクロード》の破壊力が凄まじい。
「ごめんな、俺が判断を誤った。てっきり俺も俺のローレンツが出てきたのかと」
《俺のローレンツ》という表現を耳にしただけで顔を赤くした彼の顔をイグナーツに描いてほしい、とクロードは思った。だが、事態が更にややこしくなるので、心にその顔を刻んでおくにとどめた。何か用事があったのだろう。そう察したクロードが表情を崩さず、汚れた机の上にあるローレンツの鉄筆をとって渡してやると学生時代の彼は笑顔で礼を言い教室へ向かった。室内を誰かに見られないよう拳一つ分しか扉を開けられなかったのが惜しい。
ようやく寮内が無人になったので今度はクロードが隣室の扉を叩いた。こんなところにまで付いて来てくれたローレンツが急いで部屋に招き入れてくれる。
「この愚か者!レア様に過去の自分以外と接触するなと言われただろう!」
ローレンツは怒っていたがクロードはそんなことはお構いなしに彼に抱きついた。
「可愛すぎる!!あーもう過去の自分の趣味の良さに我ながら驚くね!」
「こら、そんな言葉で誤魔化すな!」
「でも俺も今のお前のこと、昔の自分に見せびらかしたいよ」
クロードの熱のこもった緑の瞳はそれが取り繕うための嘘ではない、とローレンツに告げている。
「うぅ……だが駄目なものは駄目だろう」
「あいつらが漏らさずにいられたらそれで良いのさ。二人きりの時に話せるなら逆に外部には漏れないよ」
そんな訳でクロードは学生時代のローレンツの部屋へ行き、ローレンツは学生時代のクロードの部屋に行くことになった。
ローレンツが講義や演習、食事それに入浴も終えて自室に戻ると見てはならぬ存在のはずだった未来のクロードが自室にいた。入浴の支度をしに戻った際はレアに命じられ、匿うように言われた未来の自分がいたので学生たちが入浴中、寮が無人の隙をついて入れ替わったらしい。
「よ、邪魔するぜ」
クロードが手を挙げて挨拶するとローレンツは風呂上がりの軽装だったが、それでも右足を一歩引いて左手を横に伸ばし、右手を胸に当てて膝を曲げた。目上のものに対する正式なお辞儀だ。
「先ほどは失礼いたしました。閣下」
クロードが驚いて目を見開く番だった。先ほど廊下にいたローレンツからは見えなかったであろう盟主の証である外套のせいだと気づいて苦笑する。
「悔しいか?」
「いえ、僕個人の感情はともかく地位や身分には敬意を示さねばなりません」
「ま、今のところはって話だ。少し話がしたくて来たんだ。構わないか?」
「そう言うことであれば茶菓が必要ですね」
ローレンツは頷くと指を鳴らし、ファイアーの魔法でお湯を沸かし始めた。クロードが座っている来客用の椅子の前に丸机が置かれる。白く長い腕が棚の奥にある薄い白磁の茶器を取り出した。彼がガルグ=マクに持参しているものの中で確か最も高価なものだ。対等な付き合いをしている未来の自分たちの場合、この時刻にこんな風に急にローレンツの部屋に訪れても気安く飲めるお茶しか出してくれない。
「おいおい、給茶器の上のやつでも構わないんだぜ?」
三段重ねの給茶器の上段では煮詰まった紅茶が温まっている。中段に付けた蛇口からお湯を注ぎ、飲みやすい濃さに薄めて飲む紅茶はローレンツが日頃、喉を潤すために飲む気安いもので彼以外に飲んだことがあるのはおそらくクロードだけだろう。
「そういうわけには参りません」
クロードのために用意されたカミツレの花茶の一煎目は林檎のような甘い香りがした。小皿に盛られたお茶請けは胡桃の砂糖がけと干し杏でどちらもカミツレの花茶によく合う。
「ああ、美味いな。さすがだよ」
「閣下からお褒めに預かり光栄です。ところでお話というのは……?」
クロードが状況を説明し、推論を披露する度にローレンツはひどく真面目な顔をして頷いた。どうやら年若い彼は未来の自分の言葉少なさにひどく困惑していたらしい。
「未来の僕は意見すら述べてくれなくて」
本当は過去の自分に対して黙秘を貫くローレンツが正しいのだ。それを頭では分かっていてもローレンツは未来の自分自身に甘えたかったらしい。
「失敗を避けるにはそれが良かっただろうな。俺を見れば分かるだろう?余計なことをしてお前に見つかった」
「でも僕は閣下とお会いできて嬉しいです。僕のクロードと共に年を重ねるのが楽しみです」
クロードの方がローレンツより年下で、クロードが細かいことをおざなりにしがちで、そこを補助してもらっていることは五年の時を経ても変わらない。それが今はどうだろう。若き日のローレンツが憧れに頬を染め、未来への期待に輝く瞳でクロードを見つめてくる。理性を保つのが大変だった。身体を暴きたいと言うことではない。とにかく可愛い以外の言葉を理性で何とか繋ぎ止め、学生時代のローレンツが有意義に感じてくれるような夜の茶会は終わった。畳む