-horreum-倉庫

雑多です。
7/4〜5開催クロロレwebオンリー2025参加用ページです。

20250412143158-admin.png

「家出息子たちの帰還」
蒼月ルートのクロロレR18小説(全30話8万文字)ですがドゥドゥーとディミトリの話でもあります。
11/16こくほこで本にする予定です。

通販(booth)
「数多の叉路」通販(pictspace)
以下の3冊は完売したのでPixiv FactoryにPDFを登録しました。装丁は初版とかなり異なります。
202506281915031-admin.jpeg
ふたつ、かさねてbooth
「ふたつ、かさねて」書き下ろし以外の本文
翠風ルート。オメガバースのビッチングネタです。

20250628191503-admin.jpeg
願い骨booth
「願い骨」書き下ろし以外の本文
翠風ルート。年齢操作ネタですがR18シーンでは同い年です。
20250628183528-admin.jpeg
「有情たちの夜」booth

「有情たちの夜」boostお礼の短編以外の本文]
紅花ルート。フェルヒュー前提。ヒューベルトに尋問されるクロードの話です。

#クロロレ
6年目のお茶会webアンソロ参加作品「木箱」
#クロヒル #ロレマリ

 光の杭によってメリセウス要塞が破壊され、ミルディン大橋まで撤退した日はそれぞれに釈然としない思いを抱えたまま解散することとなった。
 すぐに受け入れられるものではない、と頭で分かっていてもローレンツの拒絶にクロードは傷ついただろう。ローレンツもひどく驚いて頑なな態度をとってしまったことを今頃悔いているはずだ。ヒルダもまだ戸惑っている。
 だがアンヴァルに向かう前にこの雰囲気はなんとかせねばならない。そんな訳でヒルダはまずローレンツの部屋の扉を叩いた。部屋が片付いていない、という理由で断られたら彼の部屋を使いたい。
「クロードくんと話をしたいから一緒に来て欲しいんだけど」
 扉はすぐに開き、ローレンツは廊下へ出てきてくれた。表情から察するにやはりまだクロードに謝罪していない。ヒルダは続けてクロードの部屋の扉を叩いた。
「私たち話があるの」
「どちらの部屋がいい?」
 ローレンツは完璧にヒルダの意図を察している。意外だがヒルダたちはクロードの部屋に入ることが出来た。それほど床も汚れていない。クロードは来客用の椅子にヒルダを、文机用の大きな椅子にローレンツを座らせた。彼自身は寝台に座るつもりらしい。
「ローレンツ、お湯沸かしてくれ」
「僕を火種扱いするな」
 息を吸うように反発したがローレンツはファイアーの呪文を唱え始めた。卓上でも使えるような小さな焜炉には小さなやかんが載せてある。クロードはお湯をローレンツに任せると棚から箱を取り出した。
「もう隠す必要もないしな」
 どうやら故郷の品らしい。箱からは白い包みが現れた。中には焦茶色の塊が入っている。クロードは板のような謎の物体を机の上に置き、背中を揉むかのように両手を押し付けた。
「あれ?割れないな」
 クロードが手こずるそれ、は何かの葉を乾燥させて板状に固めたものらしい。
「私、やってみてもいいかな」
 ヒルダが力を込めると焦茶の塊はすぐ真っ二つに割れた。
「流石ヒルダだな!」
「そんなに強く押したつもりないんだけどなー」
「ん?これは茶葉なのか?」
 辺りに広がる香りにローレンツが反応する。
「長距離輸送に耐えるように固めるんだ。表面には刃が入らないから最初は割るしかなくてなあ」
 クロードは小刀で茶葉の塊を削って茶器に入れるとお湯を注いだ。少し蒸らしてからそれぞれの器に注ぐ。薄い橙色の液体からは少し湯気がたっている。
「フォドラの紅茶とは少し味が違うが悪くない」
「ほお……古今東西の紅茶を知るローレンツ先生が言うなら間違いないな」
「クロードくん!そこでそういう揶揄い方しないの!二人とも言わなきゃいけないことあるでしょ?」
 ローレンツもクロードが出自を明かせなかった理由は分かっているのだ。だが人間は理屈だけで生きていない。
「クロード、驚いてしまって申し訳なかった」
 ローレンツの謝罪を受けたクロードが安堵のため息をついた。ホルストと彼が受け入れたなら他の諸侯たちもきっとクロードを受け入れる。
「俺も驚かせて悪かった」
 だがヒルダが話したかったのはそんな分かりきったことではない。
「そうだよ!私だっていきなり義兄弟が増えて、とっても驚いたんだから!ナデルさんってどんな人なの?」
 おそらくクロードの心にはファーガスのお家騒動が深く刻まれている。
「確かに血を分けた兄の義兄弟ならその為人が気になって当たり前だな。詳しく話したまえ」
 だが円満な家庭も数多く存在するのだ。
「長くなるぞ」
「それなら茶菓子を持ってこよう」
 本来の姿を取り戻したローレンツは実に頼もしい。そして気の利く彼は焼き菓子が入った木箱をクロードに渡すと自分の部屋に引っ込んでしまった。どちらに恩を売ったつもりだろうか。


 ある朝、身支度を整えたローレンツが扉を開けるとそこには箱が置いてあった。床に置いても平気なようにきちんと布に包まれていて、身に覚えのある大きさをしている。中身を確かめてみるとやはり先日、焼き菓子を渡すのに使った木箱だった。あの時ヒルダが割った茶葉の片割れとクロードからの手紙が入っている。態度のことも茶菓子のこともその他のことも貸し借りなしにしたいらしい。ローレンツは単に引き際を心得ているだけに過ぎないのだが───単純に気分が良くなった。
 珍しい品が手に入ったので、というのは定番の誘い文句だ。マリアンヌは何かに怯えながら暮らしているが、幸運なことにローレンツを警戒しない。
 良いきっかけを得たローレンツはマリアンヌを自室に招き、そっと彼女の前に茶葉の塊を置いた。いつもと趣向が違うせいかマリアンヌは不思議そうな顔で焦茶色の塊を見ている。
「これはクロードからお裾分けされた茶葉だ。だがクロードはこれを割るのに失敗して、結局ヒルダさんに手伝ってもらっていた」
 ローレンツはマリアンヌが持参した焼き菓子に茶葉がかからないようにそっと白い手巾をかぶせ、茶葉の塊に小刀を突き刺した。使う分だけ削り取るべし、茶葉が重なっている向きを見ながら刃を入れないとせっかくの茶葉を切り刻むことになるので気をつけるべし、とクロードの手紙には書いてあった。
「では元は長方形だったのですね。持ち運びに便利そうです」
「産地はクロードの故郷よりかなり東の山奥らしい。きっと道も細いのだろう」
 飛竜や天馬は大規模な輸送に向かない。重くて大きい荷物を持たせるとすぐに疲れて速度が下がってしまう。だから茶葉の産地から一番近い市場や港までは陸路で運ぶしかない。
「港までの距離がある土地ではこのような工夫をしているのですね、勉強になりました」
 つい最近まで茶葉の旬を気にするものなど殆どいなかったらしい。だがエドマンド家は茶葉が旬のうちにファーガスに届けることでその名を上げた。ローレンツの父エルヴィンはエドマンド辺境伯のそれまで対して注目されていなかったものに付加価値をつける技術を警戒している。
 そんなエドマンド家の養女であるマリアンヌの言葉に頷きながらローレンツは茶器に茶葉を入れ、沸かしておいたお湯を注いだ。クロードがどこ出身であろうと彼を見て苛々することに変わりはない。ローレンツはその思いを新たにした。
 少し蒸らしてから白磁の器に薄い橙色の液体を注ぐと辺りにふんわりと異国の香りが漂う。マリアンヌも静かに口をつけ味と香りを楽しんでいた。
「その……先日は見苦しい姿を見せてしまって申し訳なかった」
 ローレンツには友人が沢山いる。だが国と立場を同じくする友人はクロードしかいない。そう思っていたのに出自について隠されたことが悔しかった。
「仲が……よろしいからこそ、だと思います」
 慎重に言葉を選ぶ彼女は本当に美しい。ローレンツはマリアンヌが美の根源であるその身に秘める何か、を穏やかな気持ちで明かしてくれる日をじっと待っている。
「仲が良い、とは……一体、誰と誰の話だろうか?」
「まあ、ローレンツさんったら!」
 マリアンヌは口に手を当てて笑っている。誕生日に扇子を贈ったら彼女は使ってくれるだろうか。ローレンツがまともな買い物をするためにもレスター諸侯同盟に有利な形で早く戦争を終わらせねばならない。
「流石にクロードと言えどもこれ以上の騒ぎは起こせないだろう。いや、起こさないように監視せねば……」
「きっとヒルダさんからも感謝されますね」
 だがクロードはフォドラにいる間中ずっと騒ぎを起こし続け───去った際も蜂の巣をつついたような騒ぎとなった。そんな未来が来ることをローレンツたちはまだ知らない。畳む
6年目のお茶会参加用ページ
webアンソロ参加作品
「木箱」
20250316104708-admin.jpeg

かのひとはうつくしくpixiv factory版-通販A6p.192¥1530+送料
翠風ルートのクロヒル+ロレマリ小説です。支援Cから結婚するまでの長編です。
本文はこちらのハッシュタグから
#かのひとはうつくしく

※1
完売してしまったので無双で追加された情報も加えて文章を修正したPDFをpixivfactoryに登録しました。注文があるごとに印刷されるオンデマンド方式です。
※2
pixiv factoryはカバーやカラー口絵に対応していないので初版の際にカバー下のイラストやカラー口絵に使用したイラストを表紙に使ってあります。
※3
初版を頒布する際にboostしてくださった方へのお礼につけていた冊子掲載の「雷雨」全年齢版も掲載してあります。

20240629175700-admin.jpeg
かのひとはうつくしく2-通販A6p.94¥1200+送料
翠風ルートのクロヒル+ロレマリ小説短編集です。設定は「かのひとはうつくしく」と共通です。
本文はこちらのハッシュタグから
#かのひとはうつくしく番外編

20240629175646-admin.jpeg
真昼の月と花冠-通販A6p.84¥1100+送料
無双青ルートのクロヒル+ロレマリ小説です。
本文はこちらのハッシュタグから
#真昼の月と花冠
「女攻めが見たいWEBオンリー」展示用ページ
パスワードはイベントサイトのお品書きに書いてあります。
クロヒル
出られない部屋ネタかつ年齢操作ネタです。
ロレマリ
生えてるマリアンヌちゃんの話です

※男女カプ本の在庫はありますが全年齢のみです。boothはBL本の方が多いです。
booth
#クロード
「五年目の誕生日」

 夏生まれ、という自覚しかなかった。基本的にパルミラの者は生まれた日に拘らない。クロードは後宮生まれなので文官たちの付けた記録───後宮は王の子を確保するためだけに存在する───が残っているはずだがフォドラに来るまで見てみたい、と思うことがなかった。
 今は亡き祖父オズワルドが見せてくれた母の手紙から推理して七月二十四日、こちらで言うところの青海の節二十四日生まれということになっている。そんな危うい根拠しかない日付けだと言うのにクロードの周りにいる人々は本気だ。シャンバラへの出撃を数日後に控えているというのにクロードは今、朝食を食べにきた食堂で跪き、ベレトから花冠を授けられている。
「マリアンヌちゃんが選んでくれたお花、やっぱりきれいねえ」
「ヒルダさんも編むのがお上手で」
 女子たちが学生時代のように温室の花を使って編んでくれたものだ。どうやらヒルダの口ぶりからするに分業制はまだ続いているらしい。花冠はしっかりと形を保っている。
「いよッ!お誕生日の王子様!」
 レオニーのかけ声で食堂中がやんやと沸く。このかけ声にもこの五年ですっかり慣れた。フォドラでは年齢や立場に変わりなく誕生日当日に限り男性は誰でも〝王子様〟になる。一日中、花冠を被って過ごし、通りすがりの何も知らない者たちからも祝いの言葉をもらうのだ。卓の上には祝いの品がいくつも置いてある。戦時中なのできっとどれもこれもデアドラでリーガン家の家臣たちから貰ったものより中身はささやか
だろう。だが、何よりも皆が手間暇をかけてくれた事実がクロードは嬉しかった。自分でも驚くほど胸いっぱいになったがそれ以上にベレトが積み上げられた品を見て喜んでいる。
「また人徳を失わないようにしないとな……」
 相変わらず恩師は表情に乏しく、口数は少なかった。だが噛み締めるような彼の言葉は驚くほど鋭い。星辰の節、あの約束の日のことを昨日のように思い出す。
 まだ誰にも話していないが、全てが上手くいったらクロードはフォドラを去ることになる。無事、王になるその日まで祝いの品を贈ってくれたものたちと連絡を取ることすら難しい。後始末をさせられるものたちはきっと困惑するだろう。
「このまま朝から呑みたいところだが、残念ながら解散だ。やるべきことを終えてから夜に呑もう」
 自分に言い聞かせるようにクロードは宣言した。エーデルガルトやディミトリの人生を狂わせた闇に蠢くものたちを倒さねばならない。フォドラへの良い置き土産になるだろう。
 いつまでもこうして気の合う皆と共にいたかった。故郷に戻ったところで成功できるとは限らない。だがそれでも───自分に流れる王の血を無視することはできなかった。畳む